タイザン5氏、タコピーの無自覚に他人を傷つけてしまうところも読者からしずかちゃんの考えが読めないところも東くんの視野の狭さも理解した上でああいう描き方してるんだなと分かったので、最後まで読んだ結論はやっぱり『作者の演出構成が自分に合わない』だった。

この作品は『他者に認めてもらう・寄り添ってもらえることでの救い』をテーマに据えていて、しずかちゃんまりなちゃん東くんの三人とも誰かが手を差し伸べて寄り添ってもらうことで救われる、というのが作者の目指した形なんだな。

しずかちゃんとまりなちゃんは基本的に環境や状況からくる行動や感情で本人の気持ちがどうこうという部分が少なく、理不尽な目に遭ってるけど逆に言えばそれしか情報が無いから大きな破綻も感じず語ることも無いっていう。
「この環境ならこうなるよね」「この状況ならこう思うよね」が前提にありすぎて本人の自我をあまり必要としない配置だなあという感想で、本筋のストーリーについては環境のエグさを子供視点で描くから救いが無いねとしか。

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『誰かが隣に寄り添ってくれることで救われる』というテーマを描くのならもっと日常的な題材のほうが好みというか、そっちのほうが丁寧に関係を描いてじんわりと染みる作品に出来たのではって思うけどそれはこの人の作風と合わんよな。再三言ってるけどこの描き方が悪いんじゃなく好みと合わないだけ。
『タコピーが居ても事態が好転しなかったけど、それでいてタコピーの存在で救われた』という着地とてもきれいで救いがあるんだけど、印象が違うベクトルに向くとやばいくらい心に響かず『無』になる終わり方でもあるな。そこに行き着くまでの描写が共通認識の積み重ねだったのもあって割と無だった。

ストーリーはかなり綿密に練られていてテーマもしっかりしてるんだけど、それ体現するキャラクターにあまり人間らしさを感じない(物語の担い手としてのキャラクター性以外の要素を感じない)から最終的な作品の印象が「骨組みのしっかりしたテント」になるんだよな。

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