『誰かが隣に寄り添ってくれることで救われる』というテーマを描くのならもっと日常的な題材のほうが好みというか、そっちのほうが丁寧に関係を描いてじんわりと染みる作品に出来たのではって思うけどそれはこの人の作風と合わんよな。再三言ってるけどこの描き方が悪いんじゃなく好みと合わないだけ。
『タコピーが居ても事態が好転しなかったけど、それでいてタコピーの存在で救われた』という着地とてもきれいで救いがあるんだけど、印象が違うベクトルに向くとやばいくらい心に響かず『無』になる終わり方でもあるな。そこに行き着くまでの描写が共通認識の積み重ねだったのもあって割と無だった。
ストーリーはかなり綿密に練られていてテーマもしっかりしてるんだけど、それ体現するキャラクターにあまり人間らしさを感じない(物語の担い手としてのキャラクター性以外の要素を感じない)から最終的な作品の印象が「骨組みのしっかりしたテント」になるんだよな。