締めの一文
だからこそ、私の周囲のメディア関係者は「リベ大」のことを知っている人は少数派で、下手したら名前すら知らないという人もいました。この連載が公開されてからのSNS上の反響をみても同様でした。120万部売れている書籍、200万人いるYouTube登録者を抱えるコンテンツだというのに。それは「SNS上の言論空間」ばかりを見ていたからではないでしょうか。そうしている間に、「リベラルアーツ大学」は社会現象と呼べる規模にまで拡大していった。「炎上」していないのであれば、問題がないのであれば、とりあげなくていいのでしょうか?
私はそうは思いません。理由は次回に持ち越しますけれど、これは「失われた30年」の受け皿と呼べるものです。学問、政治、保守、リベラル、社会運動、思想、教養、文学……呼び方はなんでもいいけれど、「既存の何か」が受け止めることができなかった、支えることができなかった人たちの居場所。本当に、「よくできている」受け皿なんですよ。