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Shotaro Tsuda
>それに対し、本書では米国内で少数派に転落しつつある白人層とその代弁者たる共和党がいかにして少数派の意志を多数派に押し付けようとしてきたのかが論じられる。

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レビツキー/ジブラット『少数派の横暴』(新潮社)を読み終えた。民主主義の弊害と言えば「多数派の専制」とされ、多数決原理のもとで多数派が少数派を抑圧する現象が問題視されることが多い。

それに対し、本書では米国内で少数派に転落しつつある白人層とその代弁者たる共和党がいかにして少数派の意志を多数派に押し付けようとしてきたのかが論じられる。

人種隔離政策を支持する民主党に対して、人種間の平等を推進していた共和党がどのように変質し、今日のような姿になったのか、米国の政治制度を悪用することでいかに自分たちに有利な選挙結果をもたらそうとしているのかが豊富なエピソードを交えて語られている。

日本のネットだとトランプ現象への関心が強いために「凋落する白人貧困層の悲哀」ばかりが語られ、米国に残存するさまざまな不平等がむしろ不可視化されている印象なのだが、この本を紐解けばまたそれとは違う見方ができるのではないだろうか。

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