冬の夜風はエメラルド僕はインクルージョン
どこかのお金持ちのおばあちゃんは僕を買いました。
僕がどんなに泣いたり笑ったりしてもおばあちゃんは「きれいね」と幸せそうなばかりです。
僕は光が屈折するほど大きな声で歌いました。
僕を取り囲むエメラルドはますます輝きをましてきらきら、ぴかぴかするだけです。
夜が来ました。夜しか来なくなってしまいました。
僕以外にもいろんな世界があるみたいだけど、みんな何も言いません。
なべて暗い箱の中へ閉じ込められてしまったのです。
ある日、乱暴に蓋が開いて僕は朝を迎えました。
久しぶりの光に胸が躍って、僕は歌を歌うことにしました。
やはり同じように僕の世界はきらきらと輝き出します。
そこには僕を買ったおばあちゃんと見なれないひとが一人いました。
おばあちゃんは泣いているようでした。
すこしずつ、
すこしずつ、、
おばあちゃんから遠ざかっていきます。
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すこしずつ、
すこしずつ、、
おばあちゃんから遠ざかっていきます。