#1日1ダイかわ
ダ君は年中気候が温暖な南の海域にあるデ島で育ったから、実は寒いのが苦手だったよ。寒くて寝つけない夜に毛布に包まって小さく震えながら目を瞑っていたら、それに気づいたポプに一緒に寝ようって誘われたんだ。毛布片手にポプの隣に潜り込んで、ダ君とポプの毛布を二枚重ねて、くっついて眠る。ポプは毛布は二枚重ねた方が暖かいし、ダ君のことをお子サマ体温で温石代わりに丁度いいと笑いながら揶揄って抱きしめてくれる。子ども扱いはいただけないけれど、ダ君としても暖かいし、島を離れた心細さを忘れられるし、寝落ちる直前まで話せるし、何よりポプの匂いに包まれて安心できる。いつの間にか寒い夜はふたりの特別な時間になったよ。
竜の紋章を使いこなせるようになると、ダ君はあまり暑さや寒さを感じなくなってしまった。唯の人間だったら命を失うくらい長時間氷山に閉じ込められても寒さに耐えられるようになってしまった。ポプもそのことに気づいてるけれど、それでもダ君を誘って一緒に寝るんだ。ポプが暖めたいのは、ダ君の身体だけじゃないから。今日もダ君はポプの隣りに潜り込んでポプの匂いを胸いっぱい吸い込んでから目を閉じるよ。