ひろしのことを考えていた。
ひろし、どこかに行きたい、行かずには居られない人だ、と思っている。実際どこまでも自分の足で進んで、その先に多くの苦難や悲しみとぶつかりながら、彼は何か得たのだろうか。紅蓮までに英雄という地位と名声を得たとして、それは望んだことだったのだろうか。私はそうは思わず、お使いしているくらいの生活を望んでいたのではないかと思っている。時代がそれを許さない。
戦線から離脱した漆黒で、水晶公から慈愛を受けて、それを受け止められたんだろうか。
彼を繋ぎ止めるに足らないからこそ、暁月での荷物を半分、という話だったのかな、とか。
そう考えたとき、少し距離を置いた黄金で、彼を見てホッとしたのであれば、とても絆されているのだな。
ゴンドラでひろしは、ラハの存在だけが肯定される訳ではない、と思ったりはしなかっただろうか。シャットダウンを見守りながら、2人は何を考えていた?