『魔法少女、轢いた』のネタバレ感想
途中までは斬新でおもしろいけど、
・悪者だと思ってた奴が実はいい奴だった!?と思ったけどやっぱり嘘ついて俺を騙してた悪者だった
・でもそんな悪者も許して仲間に入れてやる俺
という構造が旧態依然としてて後半は好きじゃなかった。新しい品種を開発したのかと思ったら染料で着色しただけの青い薔薇を見せられたような気分つうか。
「嘘つきでやかましいマイノリティどもを寛大な心で仲間にしてやる」感が鼻につくんだよな。怪人側は「自分たちは弱者だ」とデモ起こすし、異世界から日本に来たって設定もマイノリティ代入可能だよな。
あと作者が意図したかどうか知らんけど、「日本人からの人気によって力を得たり失ったりする魔法少女」って支持率に左右される政権みたいだよな。
この二項対立で怪人側を「嘘をついて魔法少女を殺そうとした悪」にして、魔法少女側を「みんなが怪人の嘘に騙されて人気が爆下がりしたけど、最後は怪人の嘘がバレて人気を取り戻した善」展開にするのゲロくない?
魔法少女を、不条理に振り回される無垢な善として描いてるのも嫌だ。本当は嫌だけど仕方なく怪人を殺してる、とか。笑わせるな。
諸悪の根源として「強者同士の戦争」なるものが背景にあるんだけども、それには触れずに自然現象扱いなのも残念だった。
『魔法少女、轢いた』のネタバレ感想②
怪人に嘘をつかせた理由として、嘘をつかないと生きていけないからっていう設定を与えたのも嫌だな。この弁解でオーディエンスの同情を買いマジョリティの仲間入り許可を得るんだよ。何も悪いことしてないのに惨めすぎるだろ怪人。オチが住民票なのも何?嫌味?国籍は与えねえけど税金(住民登録はする)は取るね〜っていう嫌味か。
『魔法少女、轢いた』あらすじ
日夜戦いを繰り返す魔法少女と怪人、その運命を握るのは俺たち!俺たちは純粋で優しいから嘘にも騙されやすいし何が本当のことか見分けがつかない……まあでも結局怪人が悪かったぜ!でも俺たちは純粋で優しいから許してやろうぜ!完