「ボーはおそれている」のまとまりのない感想。
夢と現実の境目が曖昧で、夢の中に居るのは分かりつつ目覚める間の表現が多彩で(言い方はあれだが)面白かったな。自分自身を遠くから眺める場面はここまではっきりではないけど解る感覚があった。
「これはそういうものだからそうなるしかない」みたいな物語と私は受け取って、その次に、分かるんだ、分かるんだけども…の気持ちがどうしても出てきて、見て良かったけど好きではないのかなと思った。ただ「これはそういうものだからそうなるしかないよね」という物語に心を救われたり癒しになる時はあるので、この作品もそう感じる方もいるのかなと思った。
母と息子の関係が最初から修復が難しい程に歪んでいて、母の愛情と言いながらの支配的な言葉や反復しての慈悲深い言葉や中年になるまで監視している異常さとか、いやそこまでは普通ありえなくないかとなりつつ生々しい人物像だったな。息子がそんな母親から愛情と憎しみを注がれながら身動きがとれない様子も息が詰まるようだった。母親(と弁護士)の「従順な振りをして自分では何も決められない」や「優しさを持ちながらも他人を無視をしてしまう」とか一方的なんだけど的確な表現でしんどかった(でもここはボウの夢(妄想)だと思ってるので彼自身がそう自分を解釈してるんだと思う)