インドの叙事詩を日本の平安時代にアレンジ。衣装は基本的にちょっと現代が入った平安風。この衣装アレンジのあんばいがちょうどよかった。
語りは日本の歌舞伎の義太夫節風に右奥に座って、この舞台の最初から最後まで語り続ける。今回の舞台の一番の立役者はこの語りの人。時々コロスが入って登場人物の状況と心境を語る。
音楽は銅鑼からスチールドラムまで世界中の楽器を使った生演奏。言葉は中世、近世、現代日本語が混じるので、切り替わるタイミングで一瞬の違和感を感じる。今回隣の同席者が英語話者だったので特に気になった。セリフ内容は特にきらめくような目立った言い回しはなく、きわめて凡庸だった。これは残念。
演出は蜷川を思い起こすようなゆっくり細かい動き。舞台半分途中でコンメディアデッラルテの要素が入った演出。
配役は、これ以上ないほどぴったりの役者が各役にがあてがわれている印象だった。