#読書 アオヤマ君が「好き」とか「愛してる」みたいな言葉を使わずにお姉さんへの初恋を語るとこめちゃめちゃ好きなんだよな…
“ぼくはなぜお姉さんの顔をじっと見ているとうれしい感じがするのか。そして、ぼくがうれしく思うお姉さんの顔がなぜ遺伝子によって何もかも完璧に作られて今そこにあるのだろう、ということがぼくは知りたかったのである。
ぼくはそのふしぎさをノートに書こうとしたけれど、そういうふしぎさを感じたのはノートを書くようになってから初めてのことだったから、うまく書くことができなかった。
ぼくは「お姉さんの顔、うれしさ、遺伝子、カンペキ」とだけメモをしておいた。”
森見登美彦 著『ペンギン・ハイウェイ』より