ハクオロさんがハクとかトゥスクルちゃんとかライコウさんと同じタイプの客人であることは最初からわかってたことだし、てことは最終的にはみんなを置いて元の世界に戻るわけでしょ?
その上で、「一緒に暮らせなかった娘達との幸せな生活」をやるからには、物語にそれなりの納得力とか面白さが欲しかったんですよ。あとはキャラクターの魅力とか。
でも今回のストーリーで伝えたかったことって、「ハクオロは女の元に帰るためなら『守りたい』と誓ったはずの子ども達も自分の意思で置いていく父親である」以外に何があるんだ……?
トゥスクルちゃんが元の世界に戻る時アクタに見せた仲間への想いとか父への愛に殉じて過酷な世界へと身を投じる苛烈な覚悟も無ければ、戻れば死ぬことがわかっていても自分の世界のシチーリヤに大切な言葉を告げるために帰っていったライコウさんの潔い決意なんかも無く、「カレーとシチューどっちも大好物だけど晩ごはんはどちらか一方しか食べられないから悩んじゃうけど、泣く泣く目の前のカレーを諦めて…シチューを選ぶ…!!!」みたいな『痛み』を描写されたところで「ハァ????????」としか思えないんだよな…。
『痛みを伴う究極の選択』をやるにしても、もっと丁寧にやってくれたらもう少しは没入できたんじゃないかなあ………