ジョナサン・ゴットシャル 著/月谷 真紀 訳 『ストーリーが世界を滅ぼす』 東洋経済STORE
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今これを読んでるんだけど、ありとあらゆるものに「物語」は付与されてるんだなあと改めて。
自分は物語が好きで物語の力を信じているタイプのオタクだけど、物語の持つ力の使い方にはそれぞれが気をつけるべきだし、悪用されないよう警戒していく必要もあるんだろうなと思った。怖い。
“私たちは事実に基づいた論証を非常に警戒して聞く。批判的に、疑いながら聞く。論証がもともと信じていたことに反するならなおさらだ。
ところが物語に没入しているときは、知的な防御が緩んでいる。ナラトロジー〔物語論〕を研究しているトム・ヴァン・ラエルらが物語の科学のあらゆる関連研究を分析したすえに述べたように、「ナラティブ・トランスポーテーションは、慎重な評価と議論なしに持続的な説得効果をもたらす心理状態である」。
言い換えれば、優れたストーリーテラーは主張の内容を精査し評価する脳のプロセスを巧みに回避する。理性の吟味を経ずに情報や信念(それも往々にしてきわめて強い)を植え付けることができるのだ。”
社会や人の心を変えるための『ストーリー』は決してそれと知られずに語られる必要があるのでは……?でもそれってどうなんだ………!?
社会や人の心(感情というより思想)を変えることを一番の目標にして物語を紡いでいる職業作家は今の日本でそう多くはないだろうけど、実際問題(広義の)物語によって変容してるものが社会には数多く存在しており、それはフィクションコンテンツだけでなくむしろ政治や宗教や生活のなかに当たり前のように潜んでいる