ハワイの「フラ」と沖縄の「エイサー」、どちらも信仰を背景とする伝統行事でありながら、一方で観光資源として商品化され、消費されてもきました。
こちら『踊る「ハワイ」・踊る「沖縄」』は、ハワイと沖縄それぞれの近代史を紐解き、フラやエイサーと社会との関わりを考える論文集です。
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第1章では、エキゾチズムや観光とフラとの関わり、先住民族の主権回復運動とフラ、刑務所の入所者による「プリズン・フラ」などを。
第2章では戦後エイサーのグローバル化と再ローカル化、米軍基地に取り込まれた嘉手納町千原で復興した「基地エイサー」などを、それぞれ俎上に上げて分析・論評。
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様々なフラとエイサーの事例を通して、植民地化や観光化・アイデンティティの喪失など、近代のハワイと沖縄の社会が置かれてきた状況と、人々の取り組みが見えてきます。
文章には論文独特の難しさがありますが、知られざるフラとエイサーの社会的側面に着目した、とても刺激的な一冊です。
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@mameshobo 「フラ」は本来男性が踊るものだと、昔読みました。

椰子の木陰で腰蓑の女性が踊るのは、ハワイの白い砂のビーチと同じく「アメリカの作った観光資源」。

その間違った認識の定着具合が、酷いもんです。

沖縄のエイサーも。

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