新文芸坐で北野武作品を2本連続で観てきた。
『その男、凶暴につき』の清弘という凶暴な殺し屋が明確に男性と性的な関係を持っていることが示されていて、そのうえで「仁藤のためだったらなんでもする」男として描かれる。仁藤が清弘をビンタして血を拭ってやるあの一連の流れも仁藤と清弘が過去にそういう関係だったのでは?とか、少なくとも清弘が仁藤に対して恋愛感情があったのでは?とか思わせる情感に溢れていたんだけど、やくざ映画なんかのホモソーシャルのにこごりみたいな作品ではよく「男が男に惚れる」とか「男が男のために身体を張る」とか出てくるけど、それはあくまでホモソーシャルの範疇で、決してホモセクシュアルではありません、という目配せのもとにおこなわれるのが一般的という認識なんですね。だからそうじゃない描き方を初手でしてきてたんだ?と思った。原案も脚本も別の人ではあるが……

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