先月はボフミル・フラバル「厳重に監視された列車」「あまりにも騒がしい孤独」、ディーノ・ブッツァーティ「魔法にかかった男」、イタロ・カルヴィーノ「まっぷたつの子爵」を読んだ。どれも面白かったが、特に「あまりにも騒がしい孤独」と「魔法にかかった男」が素晴らしかった。
ジェフリーフォード「言葉人形」(谷垣暁美訳)に収録されている「創造」を読んだ。 近所に住むミセス・グリムに旧約聖書の天地創造の逸話を教わった少女は、森のなかで集めた丸太や枝、そして瓶に閉じ込めた父親の吐息で自分だけのアダムを作るが... 父の息吹と共に物語が始まり、父の息吹と共に物語が終わる作りが端正で美しい。作中で少女の作ったアダムが「キャヴァノー」と名付けられているが、アレン・エドモンズという革靴ブランドに「キャヴァノー」というローファーのモデルがあり、また父親のトレードマークが靴だったことから、おそらくアダムの正体が父親である事を暗に示していたのではないか。 面白かったが聖書についての知識が不足しているので理解が中途半端な事が悔やまれる。
hatomugiさんガチ恋勢になったかもしれぬ
建築を勉強したいと思っている