オランダ政府が打ち出した窒素排出量削減と土壌への窒素沈着量減少のモデルでは乳用牛、豚などの生産権等を30%以上買取ることを目的とした為、廃業に追い込まれる事を恐れた牧場経営者達の怒りを買い、選挙の前には大規模なデモが行われました。そしてこの有権者達はBBBに投票する事となります。ただ驚いた事にBBBは都市部でも多くの票を勝ち取りました。彼らは牧場経営者達に同感しているわけではなく、10年間続いた中道右派の政策で貧富の差が広がり、更にウクライナ紛争が勃発して以降、エネルギー価格を中心とした物価の高騰にあえぐ低所得者達です。この人達の不満を汲み取らないエリート達のものとなった中央政治への不満の表れです。
環境問題は深刻で真剣に取り組むべきですが、一方で伝統産業保護の方面からも考えるべきだと思います。そして、他国への軍事援助や軍事費拡大でなく、貧困に喘ぐ一般市民達への支援に目を向けるべきだと思います。