🪷花晨月夕騒乱譚《かしんげっせきそうらんたん》~苦労人の煌仙子《スプリガン》と天衣無縫の幼児化水神が事件を解決いたします~
ある日、銀国大将軍の元に一人の男児が生まれた。
しかし、身体が弱く、産まれてすぐに罹患した病気でその幼い命の灯火は消えかけていた。
そこへ、どこからともなく現れた神によって行われたのは、〈取り替え子〉という神仙の儀式。
人間の子供と仙子《せんし》の子供を取り替え、互いに大事に育てるのだ。
神は「神仙の聖域で療養すれば、その子は助かる」と言い、それを信じた大将軍とその妻は子供を差し出し、一つの宝玉を授かった。
三か月後、宝玉は美しい赤子へ変化した。
生まれたのは煌仙子《スプリガン》。
いずれ神仙の近衛となる種族だった。
夫婦はこれ以上ないほどの愛情を注ぎ、子供を育てた。
「欒華《らんか》」と名付けられた男児は、両親と兄の愛情を受けてすくすくと育ち、素晴らしい少年となった。
ただ、時を同じくして、欒華《らんか》が煌仙子《スプリガン》であることが露見してしまい、命を狙われることに。
欒華《らんか》は自分自身の過去を受け入れ、新たなる力を手にし、愛する人々のために戦うことを誓う。