ロケットの打ち上げが中止か失敗かで揉めるのは,ロケットに対する理解が不足しているからだよ.
離陸直前の点検で(あるいは離陸に向けての滑走中でも)不具合が見付かった飛行機の運航を「失敗」と表現した報道を,少なくとも私は見たことがない.それは「欠航」とか「遅延」とかになる.「離陸に失敗」と報道されたら,それはほぼ全て墜落を意味している.(爆発炎上したか機体が損傷しただけか,怪我人がいるかに関わらず)
ロケットは(今回は)人工衛星を予定された軌道に投入するのが仕事なので,スケジュール通りに打ち上がらなかったことは失敗に相当しない.なぜならまだ衛星はどうにもなっていないので.
前回のイプシロンのように途中で指令破壊されたり,衛星を予定軌道に投入できなかったら「失敗」と呼んでいいだろうけど,だからこそ今回のは失敗ではなく中止なんよ.
と,こうなることの度に私は言ってるんだけどね.世間の理解は進まないまま.
国産ロケットH3の打ち上げは「失敗」である
https://www.newsweekjapan.jp/nishitani/2023/02/h3.php