⚪︎宝石人形(1/2)
・通称「ドール」。その大半が奴隷市場から買われた見目の良い少年少女達。あまり精神が成長していないものが望ましいとされているため、年齢は10~13歳程度のことが多い。稀にハイティーンや成人済の女性が人形に成ることもある。
・彼等は常にその身に天然物の宝石を身に付ける。手足が動くうちは飾り立てられて社交の場で見せ物とされる(お披露目会)。やがて手足が宝石に変質して動けなくなると、厳重に隔離された一室で人工宝石(イミテーション)となるまで管理される。全身が宝石に変わるまでの期間には個体差があるが、おおよそ半年~1年で変質は終わり、最後は砕かれて一片の宝石となり、主人の身を飾る。そこまで含めての『宝石人形」である。
・変質する際、死への恐怖や内臓や神経が宝石化する苦しみといった負の感情をドールが抱くと宝石に濁りが生じ、等級が落ちる。そのため大抵は変質が内臓に達する前に薬漬けにして意識と痛覚を曖昧にするなど、価値を下げないための工夫が必要となる。
#宝石人形
⚪宝石人形(2/2)
・最も純度の高い人工宝石は「宝石となることに恐怖を抱かず、自ら望んで身を差し出した者」である。そうして出来上がった宝石は天然物に劣ることがないとされ、敬意を込めて「デミ・ナチュラル」と呼ばれている。
・ドールから生まれた宝石は呪いを持たないが、宝石に変質している間のドールに直接触れると呪いが感染してしまう。そのため、ドール候補が買われる時は世話役としてもう一人年の近い子供が買われることが多い。これはドールの精神安定を図るためでもある。
・過去、二種類の宝石を身につけさせることで新しい人工宝石が生まれるのでは無いかと実験された時期があった。しかしどの宝石同士でも宝石が共鳴し、装着したドールの体を一瞬で宝石化しドールごと霧散。その粉末に触れたもの全員に呪いを拡散させるという悲惨な結末を迎えたため、現在は禁則事項としてドールを購入する際の注意事項に付け加えられている。
#宝石人形