雨音がしたんです。少年はそう言って、テトラポッドを手に取ってほうった。衝突した海面は派手に揺れて、ボーリング玉のような飛沫が私をおそった。少年は袖が濡れた程度だ、私はひとたまりもなかった。飛沫と同じくらいの大きさの涙を少年が流した日のことを思い出した。少年と私は友だちだった。

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