原発事故の記憶、アートで伝える 福島・南相馬に美術館

 東京電力福島第1原発事故の記憶を後世に伝えるため、それらをテーマとしたアート作品を展示する美術館「おれたちの伝承館」が12日、福島県南相馬市にオープンした。同県出身の芸術家ら計17人が制作した絵画や彫刻、写真など約50作品が展示された。入館は無料。

 2017年から原発事故などをテーマに作品展を行ってきた写真家、中筋純さん(56)らが中心となり、半年かけて準備。地元住民から提供を受けた南相馬市小高区の2階建て倉庫を改装し、伝承館にした。館内で、被災地の自然や動物などを描いた天井画、原子炉を人の頭に見立てた絵画などを展示。屋外には、波立つ南相馬の海に夕日が沈む壁画が設置され、音楽祭や朗読劇などが催される予定という。↓

jiji.com/jc/article?k=20230712

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 館長を務める中筋さんは「倉庫の除染などゼロから作り上げた。地元の人やボランティアの協力でなんとか開館にこぎ着けることができ、ほっとしている」と話した。「大震災や事故を経験していない世代にもアートを通して語りかけ、それらを考え直すきっかけとなる場所にしていきたい」と述べた。

 ボランティアとして携わった自営業の男性(52)は「原発の被害を受けた南相馬市に意義ある施設ができてうれしい。記憶を伝える上で、アートにしか果たせない役割があると思うので大切にしていきたい」と語った。

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