「男女間のトラブル」というとヘテロパートナー間の私的な問題かのような印象を受けるけれど、統計的にもストーカーの加害者の約80%が男性で被害者の84%が女性ということを踏まえると、そこには性差別にもとづく支配と暴力が働いているものだと思わずにいられないです。
「別れ話からトラブルに」という報道も続いているけれど、私的な人間関係によるトラブルとして回収することに違和感があります。たとえば海外のアシッドアタックという男性が女性にアプローチを断られたことの腹いせとして相手の女性に酸をかけるという暴行を対等な人間関係における揉め事とはいわないと思います。
これらは女性の(性的)自己決定権への憎悪という意味で女性差別による暴行といえます。女性が男性による支配の範囲外にいこうとすること自体が「不道徳」でありその「罰」を男性が与えようとするパターナリズムが根幹にあるはずで。事件直後なので私も個別のこととして不用意な発言は避けたいですが報道のあり方にも疑問があります。被害者の人間関係が詮索されて、あたかもそこに要因があったかのような雰囲気が生まれなければいいなと。