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妄言でも吐くか 目卍について

とりあえず広く笑い=ズレの知覚だとすると,コメディの巧拙はなにをどのようにズラすか(どんな秩序をどのように撹乱するか)で決まることになる,これが笑い=風刺が社会批判たりえる理由でもある(とはいえ撹乱した先に新しい秩序を提示するほどの力が笑いにあるのか?これは別の問題),で,目卍のおもしろいのは「そもそもどこに秩序があるのか」を発見する能力がすぐれているところで,例えばやたら変な位置で行われる改行,意味もなく交換される手書き文字と印刷文字,コマをまたぐと別人になるキャラクターなどなど,マンガというメディアが暗に前提しているーーそしてふつう読むときはそれを秩序と認識してすらいないーー秩序を壊している,それに比べると物語の意味内容のめちゃくちゃさなどはまあさして重要ではない

ここで先日打ち切りになった『すごいスマホ』のコマをみてみよう,これは総理大臣のカタブツぶりを「異様に整った吹き出し内の文字列」で表現していて,これはそれなりに面白いのだが(漫画自体はつまらなかった),しかしこれは目卍のような,普段ふつうに読んでいる吹き出しじたいが十分「異様に整った」ものであることを暴露する手法に比べれば,センスがないと言わねばならない,新たな秩序を見つけることができる者だけが新たな撹乱を

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