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『女子のチカラ』米澤泉。
この本が2023年読書初め。ちゃんと読了した一冊。調べもので使ったりするので読了は保留になる本が結構多い。
本作は遠慮のなさが群を抜いている。判例解説なども遠慮なく粛々と書いているけど、この本の場合トロフィーワイフ問題を雑誌の傾向などと関連付けて説明している。納得のいくものが多く、説得力がある。結婚による階層上昇、「経済(カネ)と美(カオ)の交換」と小倉千加子が喝破した文を引用していたり、小気味いい。
私が愛読していた『JJ』にも言及があり、あの愛読者たちが良妻賢母雑誌の読者になっていったことなど、階級(階層)と良妻賢母についても触れていた。私が『JJ』やその上の年齢の雑誌に結局はなじめず、高いなぁと言いながらブランド品を眺めるのが精いっぱいだったのが階級問題だったと今更の答え合わせができた。
梅宮アンナがDKNYことダナキャランを読めなくてドンキーって言ってたって屈託なく言っていた。私たちなんてアニエスベーをアニエスビーって言ったら死ぬという場所(階級)にいたのに、読めなかったことを何とも思わない階級があるのかと、梅宮アンナとその階級に完敗した10代後半であったんだなとしみじみする。

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