時間については『TENET』を見た時にいろんな解説を読んだなぁ...
物理で現象を記述するときに時間の方向はどっちでもいいっていう話で、高い所から物が転がり落ちるのを位置エネルギーが運動エネルギーに変換されると考えると、物が坂道を転がり上がって運動エネルギーが位置エネルギーになるのも同じようなエネルギーの変換であって、問題なく前者の逆を記述することができる。実際に目にしたのが転がり落ちる様子だろうとも、それを記述してしまえばどちらが等式のあとか先かは互換的で時間は関係ない。
ただ不可逆なのは、物理で見るとすべてのエネルギーが熱エネルギーに変換されていって、その逆に熱が等価の別エネルギーに変換されることはないということ。これは、より大きな秩序だった一方向への動きが分子のバラバラな動きに変換されていくことで、このバラバラが秩序に戻ることがないのを時間の流れとして記述することができる。宇宙が無秩序に向かって不可逆に変化していくのが時間。
そんなふうに物理にとって時間とはなんなのかということを考えていたのがクラウジウスとボルツマンでどちらも19世紀のドイツ人とは驚く。原子論もまだの時代。

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