『関心領域』観た
終盤、「博物館」となったアウシュヴィッツが機械的に清掃されていく映像が映るのが印象的だった。今も「無関心」である我々への糾弾のように思えて。
ごく最近たまたま、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンの『イメージ、それでもなお』(橋本一径訳)を読んだことがあまりにもタイムリーだった。本の中で、「すべてに抗して」という言葉が何度も使われていたことを思い出す。すべてに抗してのイメージ。すべてに抗して想像する。
この映画は、観た我々に何ひとつ親切に明快に説明してはくれない。だから我々がこの映画から何かを引き出し受け取りたいなら、スクリーンに映らなかったものを、語られなかったものをこそ、想像しなければならない。 おそらく、すべてに抗して。