『キリエのうた』序盤で、真緒里(広瀬すず)が再会した路花(アイナ・ジ・エンド)に「マオリじゃないよ、今は、一条イッコ」って名前を教えて、それに対し路花も「私も今は、キ、リ、エ、です」と返して、イッコはちょっと泣きそうな笑顔で「……うん」と頷くシーンがあるんだけどこれが大好きでね。あの瞬間にふたりは、「解放された(ということにした)新しい私たち」を無条件に受け入れ合ったんだな、と。
あたしは幸い自分の本名を割と気に入ってるけど、ノンバイナリーの知人で元の男性的な戸籍名が嫌で正式に手続きをして自分で考えたい名前に改名した人がいて。その他でも学生時代に関わった団体とかでは「呼ばれたい名前」を重視するところが多かったし、自分で自分の呼び名を選び取るということ、それが当たり前に受け入れられることで救われる人がいるとか、そういうことの大切さを思う。