薄く小粒の泡がグラスの中で踊る。しあわせそのもののふたりを、祝うシャンパン。こんな日にはアルコールに限る。煽れば、セットした髪が頸をちりちり刺激した。気がついたら帰りのバス車内。案外と早く終わったらしい。同席していた隣人が疲れたように言う。「引き出物、何にしようか。こういうの決められないんだよね。」色とりどりのバウムクーヘンが並ぶカタログをパラパラとめくっている。ひとりで食べる菓子はその虚しさは、エンドは。いつまでも変わらないというのに。今はバウムクーヘンエンドでは、ない。
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