「人に迷惑をかけてはいけない」の意味するところを考えている。
高校生たちと話していると「病気になって人に迷惑をかけてはいけない」と真顔で言われて「それは仕方ないことだよ」と諭すことになることがある。
曰く「親に病院に連れて行ってもらったり費用がかかったり、授業や部活を休むと遅れてしまうから」という理屈のようだ。
子どもに「病気になるのは迷惑なことだ」と思わせてしまう社会は息苦しいを通り越して恐ろしい。
かく言う自分も「迷惑だよねー」と聞こえると反射的にヒヤリとしてしまう。
「デモは迷惑」「ストライキは迷惑」「街頭活動は迷惑」「同人ルールを守らないのは迷惑」「急に休まれるのは迷惑」「仕事ができない人は迷惑」「察しが悪いのは迷惑」……「誰がどんな点でどれほどの損をしましたかね?」「それは責任が発生するのですかね?」という最も大切なことは語られないまま「だからやめろ」だけはドスンと突き刺さる、最も凶悪な言葉が「迷惑」だ。
「人」って誰だろう?
「迷惑」ってどんな状態?
多分、言っている人もよく分かってないのでは?
それでも今日も「迷惑」の前に引き下がることを要求されている人がいる。
迷惑という意味に対する言及だったりするかもしれない
故意過失に関わらず、自分が他人にネガティブな影響を与える行動をした時、他人が許容してくれると考えられないというのは結構あったりするなあ。結果、社会から自分が隔離されてしまう恐怖を心の底で抱えている人も大分いそう。
病気について言えば、生活習慣由来でなるべくしてなるものはともかく、いくら健康に気を遣ってリスクヘッジをしていても罹る時はあるので、自分ではコントロールしようが無い部分もあるのよね。
大分前に某を見ていた時、電車が急病人の救護で遅れて迷惑だという声を身近な人から見た事がある。私も閉鎖された空間で急な発作を起こす事があるので、今の自分が当時に戻ってあの発言を見た時は大分ダメージを受ける気がする。 [参照]