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klockworx-asia.com/CU/
』(2023年)劇場鑑賞。
国土全体が崩壊し、救助も及ばない状況で一棟だけ残ったマンションを舞台に、元の住民と住まいを失った被災者との争いと生存戦略が描かれる。
ヨンタクの狂気が物語の推進力だけれども、観ていていちばん怖かったのは、住民以外を追放して入口を封鎖した時の最初の攻防。相手に殴られて流血し、反撃したヨンタクに対して周りが『英雄!イケメン!よくやった!』と賛美してしまうところ…本来は、人目に触れずひっそりとやり過ごすことを望んでいたヨンタクを、自分たちの暴力を正当化するためのシンボルにしてしまった。何かを守るためには、何かを犠牲にしたり、見捨てたりすることも必要なのだと言い訳を与えてしまった。ウチがうまく回っていればそれでいい、という視野の狭さ。利権でつながった一部の仲間うちだけで食料を分け合い、足りなくなったらもっと弱いところから奪う。弱いものを守ろうとする人から排除されていく。
このような世界で、支配側に従順であることで生き延びようとする夫ミンソンと、命を救う職業に従事する立場の妻ミョンファのラストの選択が、まだ他の道、方法があるのではと希望を感じる物語になっていた。翻って本邦の被災地の皆さんの心情に思いをはせたい。

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