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相模原障害者施設殺傷事件について言いたいこと(2)
もちろん、親が間違える可能性もある。でも親ほど本人を見てきて、本人にコミットしている存在はないのよ。正直、津久井やまゆり園の親の会の方々が、やまゆり園の存続を願ったのに、それを無視する世論には、すごく腹が立った。結局やまゆり園が存続出来て、本当に良かったと思う。
もう一つは、植松聖に。
多分あなたは、正気を失っていて、何を言っても理解出来ないのだと思う。
でも、私はまず、あなたにお礼を言いたい。それは、(それが本心なのかは分からないけれど)親の苦労を思ってくれたこと。障害者の人権のことは皆考えても、介護者の人権をかえりみる人は少ない。一昨日も書いたけれど、子どもが成人したとて、施設に空きなんて一件もない。多くの親は、苦悩の中、自宅で介護し続けている。先は見えない。自分が80歳になっても子ども介護していなくてはならないかも知れない。
さらに最大のお礼を言いたいのは、あなたが介護職をやってくれていたこと。
あなたは、障害者を殺す必要なんてなかった。あなたは、介護職をやっている時点で親を救っていた。あなたは、その時点で最高のヒーローだった。
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相模原障害者施設殺傷事件について言いたいこと(3)
あなたは、分かっていなかった。親が障害のある子をどんなに愛しているか。親が欲しているのは、子の死ではなくて、子が生を続けそれを謳歌し、そして親が子を愛し続けるための「手助け」だということを。
あなたは、なぜ役に立たない障害者はいない方が世界が良くなるという妄想に取り憑かれてしまったのだろう。分からないけれど、第二次安倍政権以降、社会に蔓延した差別の空気が無関係だということはあるまい。その空気は、介護を自助、共助に押し込める「自己責任」論と表裏一体だ。
介護職の給料が、大企業の正社員並みの金額だったら!介護職に、その実に見合っただけの名誉が与えられていたら!この事件は起こらなかったのではないかと思うし、施設などの人員を増やして給与をあげること、そこにきちんと予算を配分すること、それが今、私が切実にこの日本の社会に望むことです。
了