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東京都現代美術館で「あ、共感とかじゃなくて。」展観た。素晴らしかった…!見知らぬ誰かのことを想像する。その人はこの社会でどう生きているのだろう。差別的な扱いを受けた地域で育った人、引きこもり、性的マイノリティ、いるのに"いない"とされたりしてる人たちを共感を通さずに取り上げる。ぜひ観てほしい。
わたしたちは1人1人別の人間であることをたまに忘れてしまう。他者を理解しようとする時、ついつい「共感」という便利なツールに手が伸びてしまう。でも大切なのは共感することではなくて他者と共にあることだ。今の10代の子達に特に観てほしいと挨拶にあって、わたしも本当にそう思った。
あいさつパネルと同じ内容の手話動画が設置されていたり映像作品が複数流れる場所では聴覚過敏の人向けにイヤホンがあるし、中島伽耶子さんのセクションでは、見えにくい場所にトランスジェンダーの存在を示す本の設置がされていたり、とにかく「ないことにしない」姿勢が徹底されててよかった。
最後に「空をながめる野原」と題して鑑賞者がこの展示を観てる他者宛に書いたメモが飾られているんだけど、その中に「私は例え同じ月を見ていても違う月を見ているはずだということに、希望を感じます」と書いてくれた方がいて、本当にそうだしとても美しいことだと思えて少し泣いてしまった。

「あ、共感とかじゃなくて。」展、最後にあった《ここに居ない人の灯り》もとてもよかった。「ここにいるあなたは、美術館に行きたいと思って来ることができた人です。でも、行きたいと思っても、いろんな理由で来ることができない人もいます。この灯りはこの社会のどこかにいる、孤立を感じている人とあなたをつなぐものです」この世界にいるあらゆる人をなかったことにしたくない。

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