うちに来たカモノハシが自分のことをキウイだと思っていた話
オーストラリアに行った兄がカモノハシのぬいぐるみを連れてきてくれた。
名前は何かと聞いたところ、どうにも話が噛み合わない。よくよく聞いてみたら、「自分はキウイだ。カモノハシという生き物のことは知らない」と言う。
毛の色も似ているしクチバシもある、それに自分は卵から生まれてきたしオーストラリアから来た、これらはすべてキウイの特徴であり、ゆえに自分はキウイだと言う。
でもあなたはカモノハシだと言って、うちにいるカモノハシのモカさんに引き合わせたところ、大変ショックを受けて黙り込んでしまった。それから口を聞いてくれない。
正井 編『大阪SFアンソロジー:#OSAKA2045』と井上彼方 編『京都SFアンソロジー:#ここに浮かぶ景色』(Kaguya Books/社会評論社)のカバーを外した表紙はこんな感じです。
「大阪SF」と「京都SF」の文字は谷脇さんがデザインしています。文字だけの表紙もかっこいいですね!
SF企業VGプラス合同会社。オンラインSF誌 Kaguya Planet、SFレーベルKaguya Booksの編集者。編書『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(社会評論社)、『結晶するプリズム 翻訳クィアSFアンソロジー』他。フェミニスト。