「梓さん!?」
安室とコナンは女湯の暖簾を潜り抜け脱衣場を走り抜け、浴場の扉を開ける。「大丈夫ですか!?梓さん!?」
そこにはバスタオルを巻き付けたあずさの姿が目に飛び込んできた。
梓さんの足元では猿が梓さんのバスタオルを引っ張っている。
コナンのメガネは曇って見えないのに安室が前に立ちはだかる。
「あ、安室さん…」
その時胸元を抑えていた手が緩みバスタオルを剥ぎ取られ裸が露になる。
「あ、絶景」
裸から目が離せずつい本音が口からこぼれた。
真っ赤になる梓さん。
「安室さんのエッチーーーー!」
梓の悲痛な叫びがパーーンと音と共に浴場に響いた。
事件も何やかんやで解決。翌日も梓は安室にだけツンとした態度で接している。
安室「ねぇ梓さん、まだ裸見た事怒ってるんですか?」
安室と逆の方に顔を向ける。
ふぅとため息吐きながら
梓の耳元に顔を寄せ「梓さんだって僕の裸いつも見てるじゃないですか。三日前だって…」
バッと音がする勢いで振り返り安室の口元を両手で塞ぐ。
「しーー!安室さんのバカァ!聞かれちゃったらどうするんですか!?」
「大丈夫ですよ」
梓の手を離しながらそう答える安室。
「今夜部屋に行っても?」
伺い立ててくる安室の言葉にハクハクと口を金魚みたいに動かし真っ赤な梓。
「いいですよね」イエスの返事しか受け付けないと言わんばかりの最後の一押しにこくりと頷く梓。
ニコニコと上機嫌な安室。
そんな爆弾発言を聞いたコナンが「おいおい」と小さく呟いた。
(ちなみに梓さんは温泉に行くから痕付けないでってお願いしたのに胸に数カ所痕をつけてた事と梓だけだったとはいえ女湯に入ってきた事で他の女性の裸を目にしちゃう可能性があるから心配してくれたとはいえど軽率だとヤキモチ交じりに怒ってた。)
おわり
談話室にて。
四人がテーブルを囲むようにソファに座る。
腕を組みムッとする安室。
(安室さんに平手打ち出来るなんて梓さんくらいだな)
安室の頬には真っ赤な手形がありそれを見ながら苦笑いのコナン。
「もう!女湯に入ってくるなんて!」
真っ赤な顔でプリプリと怒る梓。
「まぁ、梓さんに怪我なくてよかったです」と梓を宥める蘭。
「緊急事態とはいえ百歩譲って女湯に入った事は謝りますが何故僕だけ…」
安室はコナン見て解せぬと思う。
安室と目が合い
「僕、子どもだからわかんなぁい」
ハハハと子どもっぽく笑ってみせたが公安の視線が痛く早くこの場から離れたいと思うコナン。
「でも安室さん血相変えてたんで梓さんが心配だったんですよ」蘭がフォローを入れる。
ちらっと安室をみてまた顔を背ける梓。
コナンと蘭は顔を見合わせ肩を落とした。