『ナミビアの砂漠』やっと観た
2つの間でバランスを取ろうとする人の話と考えれば、カナについての描写はほとんど「そんなモンだろう」で片がつく。一方(「一人」ってニュアンスではない)からもう一方へ向かうその動作、貧乏ゆすりをする足と静止する足、自分が動く期間と相手に自分を動かしてもらう期間。ご丁寧なことに最終盤、2人のケンカを神の視点で覗くカナの姿すら映してくれる。おまけにルームランナーという「自分は動いているけど景色は止まっている」装置まで使って。ラストに映る映像もそう。空と陸がパッキリ分かれた景色の中、地に足をつけながら時折角だけ空に突き出す様はまあまあ説明的。ただし二者関係においては自分自身が一方の極にならざるを得ず、中盤以降はずっと心穏やかでいられなくなる。飽きることはなかったけど、個人的にはかなりシンプルな映画だと思った。