『運び屋』(2018年)を観た。
主人公アールが、とても不思議なキャラクター。
「家族をないがしろにしてきたツケで、家族から見捨てられた老人」というのはクリントイーストウッドが意識的に(?)繰り返し演じてきてはいるけれども、『グラン・トリノ』とちがって、世間体には好人物で、社交的というところが新鮮。
しかも、麻薬の運び屋になって手に入れた大金を、そこに使っていくのか!…というところ。
自分の車にはりつくギャングたちが職質かけられてるときに咄嗟に助け船を出す、賢さ&優しさ。
その世代の白人男性にしては珍しく、黒人やレズビアンへの差別意識は特にない(Nワードを指摘されればすぐに直す)。
他方で、アンディ・ガルシア(←が登場したからびっくりだった)に招待されて酒池肉林で「心臓の薬をくれ~~」とベッドに倒れ込む、アホっぽい側面もある。演じてて楽しかったろうなと思う。新車かっこいい。
私だったら「今さら懺悔されても手遅れだ」、と突っぱねるので妻より娘に共感するけれど、まぁそれでも懺悔がないよりはあった方が救われるなぁと思った。裁きを受けたアールの「その後」が、とても穏やかな光景で、ホっとさせてくれて終わる。
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