『グランド・ブダペスト・ホテル』を観た。家にDVDがあるのに放置していたが、まさかこんな豪華なキャスティングだったなんて知らなくて、早く観ればよかった、と後悔。子どもたちと、あ、マルコム博士だねーとかティルダ様だねーとかのんきに構えていたら、ハーヴェイ・カイテルじゃん、、、!(涙)
いつものウェス・アンダーソン的な、作り物的でディズニーランドみたいなカラーリング、「女性ウケがいい」とよくジェンダー濃厚な書かれ方をするけれども、それはそれとしてかわいい。80年代の寂れたホテルの感じも、共産主義国ならではのキッチュさが相まって、かわいい。
難民映画だった。ゼロが抱える孤独と悲しみに、胸が痛かった。すぐに謝ったグスタブ、よし。
お客さんや軍隊を相手どった時のレイフ・ファインズの流れるようなセリフまわしと細かい表情の変化を観ていると、チャップリンに似ている気がする。
ヴィゴ・モーテンセンの狂気は、お家芸。スキーとソリのチェイスは子どもたちが抱腹絶倒。
ホテルの赤いカーペット、刑務所からの脱走、修道院での殺人、雪山でのクリフハンガー…いっぱい映画愛が詰まっている。