★ノーモア・ミナマタ第2次近畿国賠訴訟全面勝訴判決を受けて
2023年9月27日
ノーモア・ミナマタ第2次近畿国賠訴訟原告団・弁護団
ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議
本日、大阪地方裁判所第9民事部は、ノーモア・ミナマタ第2次 近畿国賠訴訟について、最大の争点である原告らの水俣病への罹患に関し、原告128名の「全員」を水俣病と認め、被告国、熊本県、チッソらに総額3億5200万円(各原告の損害一律250万円+弁護士費用25万円、計275万円)の支払いを命ずる原告全面勝訴の判決を言い渡した。
救済された原告には、特措法の対象地域外の原告、年代外の原告、特措法未申請原告の全員が含まれている。
この判決は、被告らの患者切り捨てを厳しく断罪したものであり、全国で闘われているノーモア・ミナマタ第2次訴訟の先陣をきる判決として、未救済原告を励まし、全ての水俣病被害者の救済に向けて大きな一歩を踏み出すものである。
(続く)
(承前)
原告らはいずれも、熊本・鹿児島両県にまたがる不知火海沿岸一円に居住歴のある者で、チッソ工場排水中のメチル水銀に汚染された魚介類を摂食した、いわゆる慢性水俣病の患者であり、加害企業チッソとその有毒な排水規制を怠った国、熊本県に対して損害賠償を求めてきたものである。
原告らは、出身地を離れていることから、水俣病の情報から遮断され、症状に苦しみながら医療機関を受診しても原因不明とされ、自らが水俣病被害者であることさえ知ることができなかった。そのため特措法申請の機会さえ奪われていた者も多く、また水俣病との診断を受けた後も、公健法や特措法の救済を受けることができなかった被害者である。
これらの原告を水俣病と認めた本判決は、まず特措法未申請の原告について水俣病と認めたことから、救済申請受付の打ち切りの誤りを、更に地域外・年代外の原告を水俣病と認めたことから、公健法・特措法の対象地域内外等の線引きにより不知火海一円に居住していた原告らを切り捨ててきた国や熊本県の施策の誤りを明確に断罪し、従来の被告国らによる水俣病被害者救済策の根本的転換を迫るものである。
(続く)