『エイジ・オブ・イノセンス』(1993)
19世紀アメリカの上流社会の…叙事詩。大河ドラマ的なメロドラマ。
所詮(という言い方をあえてするが)差別と貧困に苦しんで本国から逃れてきた移民たちのための国にもかかわらず、「上流階級」「社交界」なるものができあがっている。階級や搾取を憎んでいるはずが、それを忘れているのか何なのか、ヨーロッパの上流階級文化への憧れとコンプレックスも抱え込む人々。随所にオペラ鑑賞や舞踏会、朝食会の豪華絢爛なシーンが出てきて『山猫』か?と思うほどだけれども、ヨーロッパの本家本元からみればアメリカ人たちのそれなどハリボテにしか見えないのだろうな、と想像したり。いびつな背景を背負う彼らの世界は、建前と本音を使い分けてだれかを持ち上げ、だれかを排除し、自分の利益の最大化を図ってサバイブできるかどうか、ヤクザと同じ。スコセッシがこの世界をネタにしたのはとても納得がいく。(続)
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物語の大筋は、主人公が、妻以外の女性と恋に落ちて、結婚はやめようかなー、でも仕方ないー、あ~やっぱり好きだー、もう駆け落ちしたいー、追いかけたいー、できなかったー、という煩悶に継ぐ煩悶で、うんざりする。どこらへんが「イノセンス」なんだろうかと思っていたら、無垢な妻、ではなくて、キス以外なにもしなかった不倫形態が「イノセンス」というワケかと気づいて笑った。
妻は、無垢と見せかけてしたたかだった。でもウィノーナ・ライダーはひたすら無垢にしか見えないので、もう少し「含み」のある演技があればよかったかなと思う。
ダニエル・デイ・ルイスの顔は、デフォルトが「苦悩してる」
ので、こういうの得意なんだろうな…なんて。
老けてからの彼は、ジェレミー・アイアンズと瓜二つ!
「皇太后」と呼ばれる彼女、どこかで見たと思ったらディカプリオのロミジュリのメイドさんだ。
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