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レオ・ベルサーニ「精神分析と美的主体 Psychoanalysis and the Aesthetic Subject」(『Critical Inquiry』第32巻、2006年冬期号)紹介
izumienaga.blogspot.com/2022/0

抜粋(ベルサーニ論文の私訳箇所から):
「人間主体は…世界が存在しない場合にのみ…我々が世界を我々に取り替えられる場合のみに解かれるかもしれない、深い不安定に根差して発達する。…
…支配できない世界についてのある程度の不安は避けがたい一方、また同時に確かなのは、私がミションの小説を通して実演してきたように、世界の抑圧を必要としたりまた含んだりしない仕方で我々は世界と照応しもするということである。
我々の不安、あるいは我々の欲望が体をなすことに世界はいつも抗するのだが、しかしまたその中で我々は世界を支配する必要性にもたれかからないようになりもするのである。
外部の現実性は初め情動的な脅威として現前するかもしれないが、しかし精神分析が――芸術のように、とはいえそれよりも推論的な様態ではあるが――我々が我々をまず先立って世界の中にいるとみなすように、同様に奇妙に聞こえるとしても、世界が、存在論的に、我々をいつくしんでくれているとみなすように、我々を導いてくれるだろう。」

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