文藝2023年夏季号収録の佐藤究「幽玄F」を読了。
「私には地球を取り巻く巨きな巨きな蛇の環が見えはじめた。すべての対極性を、われとわが尾を嚥みつづけることによって鎮める蛇。すべての相反性に対する嘲笑をひびかせている最終の巨大な蛇。私にはその姿が見えはじめた」(三島由紀夫「F104」より)
他にも『暁の寺』や『天人五衰』など三島由紀夫の諸作品を起爆剤に、国家や思想を超越して想像力を超音速で飛翔させた純文学エンタメの超ド傑作!言うならば「『トップガン・マーヴェリック』を観た翌日のテンションで三島が書いた〈豊饒の海〉シリーズ最終巻」のような《憂国》も月までブッ飛ぶ衝撃作。寺山修司による「日の丸の赤は何を意味していますか?」のいう問いかけにこんな回答の仕方があったとは。