高屋敷英夫
『小説 ドラゴンクエスト (上・下)』
『小説 ドラゴンクエスト2 悪霊の神々 (上・下)』
『小説 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ… (上・下)』
久しぶりの再読(文庫版)。
『知られざる伝説』『アイテム物語』などの設定やオリジナル要素も取り入れつつ、原作における必須イベントをうまく小説に落とし込んでいる。ゲームの記憶をフラッシュバックさせながら、少ない容量で表現されたファミコン時代のRPGの世界に奥行きを加えた作品として楽しめる内容だと思う。
ヒーロー&ヒロインの個性が薄い(あえて典型的なヒーローヒロインの枠をはみ出さない性格づけをしているようにも思える)なか、脇を固める仲間たちがみんな魅力的なのがいい。特に『3』の女戦士クリス、僧侶モハレは最初から最後まで一緒に旅した仲間だけあってお気に入りのキャラクターだった。
#読書
「小説ではなく脚本」
「オリジナル要素が多すぎ」
といわれることもあるシリーズだけど、特に後者についてはいわれているほど悪くはないと考えてる。
『1』の主人公の出生や『2』のロトの剣&稲妻の剣の扱いなど、うまく設定を追加したり改変したりしているし、ゲームの中で遊ぶにはいいけど小説として読むには淡白な部分にオリジナルの要素を加えていい感じに補っていると思う。
『3』も、リザを取り巻くそこまでの経緯があってこそラスボス戦のあの呪文が光るんだ(たぶん)。