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ケヴィン・ウィルソン
『地球の中心までトンネルを掘る』

どこか奇妙で現実離れしたシチュエーションとともに、孤独な人々の切実な思いを描いた短篇集。
どの話も言葉では言い表しがたい複雑な感情を描き出しており、大きな捻りも揺さぶりもないのに結末がすっと胸に落ちてくる感覚が新鮮だった。一番のお気に入りは「発火点」。ただ、読んでいくうちに似たような話ばかりという印象も強まり、正直、終盤には少し食傷気味になってしまった。ひとつひとつの話はどれもいいのだけど……。

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