三原幸久 [編訳]
『ラテンアメリカ民話集』
ラテンアメリカ(ただし、本書ではフランス語圏であるハイチで収集された民話を含んでおらず、イベロアメリカと呼ぶのが正しいようだ)の国々に伝わる民話の中から37話を収録したもの。多くが土着の民話ではなく西欧から伝えられた話とのことだが、同様の話型を用いた話がほかにどういった地域に分布しているか、ルーツとされている場所はどこかという解説があり、そこから見えてくるものがおもしろい。時には西欧のそれよりもむしろ日本の昔話に近い内容のものがあったりと、全体として親近感の湧く内容だった。動物譚や笑話が多く収録されているのも嬉しい。
#読書