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我慢できず、有志の方のストーリー翻訳で、アークナイツの「吾れ先導者たらん」を読みました。完全に好きなタイプのストーリーだった。「ただ善く生きたい、尊厳ある暮らしをおくりたい」という切実な願いのことを忘れないで語ってくれる物語のことが好きなんだよな。

ストーリーネタバレのため伏せます。 

「差別・排除の無い楽園を目指す」という理想と、「信頼する仲間を傷つけるな」という義憤がどちらも「執念」という言葉で「同じもの」だと結ばれるのが、脚本が巧くて最高でしたね。
「人々が尊厳ある暮らしができるように」という理念、信念自体は否定しないが、しかし、成就を目指す道のりで暴力に晒され傷つけられた者たちの存在があることを軽んじるな、理想の名の下で彼人らの『傷』を無視するなという力強いメッセージにかなりぐっと来た。
マクロとミクロの重なり合いがうまい、本当にうまい。
サンクタではないフィアメッタが、サンクタの友人たちのために「絶対に許さない!」と一歩も引かないところも良かったね……。

アンドアインさん、めちゃくちゃ自分の好みのキャラで、何も言うことがねぇんだよな。見るからに"そう"なので……。説教が上手い精神性が善の男だから、そりゃあそうなんだよ。
イベント来たら絶対にやりたい……。

ストーリーネタバレのため伏せます。 

「正義や理想のためだったら、何をしてもいいのかよ?」に対するアンサーはもちろん、「そんなわけないでしょう」なんですけど、それは手段の正当性に対するアンサーなだけで、正義や理想そのものの否定になるわけではないんですよね。そういう話を、「吾れ先導者たらん」でしていたのだと理解しています。
「では、叫ばれた正義や理想で目指そうとしているものはどのように実現されうるのか」というところまで踏み込んだのが、ラテラーノ宣言であり「殉教者」アンドアインの旅立ちなのだと思っています。

ストーリーを読み終わった後、パウロ・コエーリョの『星の巡礼』という物語のことを思い出した。

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