愛しいぬくもり 

朝起きるといつも抱きしめられている。あたたかな腕がしっかりと私の体に巻き付いて、まるで離さないとでも言われているようで。
「さてはあんた、私のことカイロ代わりにしてるわね⁉」
恥ずかしさのあまり、そんな可愛くない言葉が口から飛び出てしまったのは不可抗力である。そんな私に残念だと言うロックマンは嫌味な笑顔で飽きれたような視線を送って来た。どうせいつものことだと思っているのだろう。
残念なんて言われ慣れてるし、なんならもっと酷い嫌味を言われたこともあるのに、どうして少し胸が痛むのだろう。恋人になる前はもっとなんでも素直に言葉にできたはずなのに、恋人になってからの方が素直に言えなくなるだなんてどうかしている。こんな自分は嫌だし、ロックマンだってこんな恋人は嫌だろう。そう思うのに…
「別に。ただ、僕の恋人は今日も可愛いなと思ってね」
なんでと心の中で彼に問う。どこが可愛いのよ。素直に、あんたに抱きしめられるとほっとするのだと、その一言でさえ言えないのに。
好きよと素直に言えたあの日に戻りたい。でもこの愛しいぬくもりを私は知ってしまったから…
「…少しだけ、カイロ代わりになってあげてもいいけど…」
今はこれが精一杯だと思いながら、ロックマンの体に手を回し、ぎゅっと抱き返した。

カイロ代わりに 

「さてはあんた、私のことカイロ代わりにしてるわね⁉」
目が覚めると腕の中にいたヘルが夢じゃないのだと確かめるようにして抱きしめるのはもう日課になっていた。何度抱きしめても実感がわかなくて。彼女も僕のことが好きだなんて、自分に都合のいい夢なんじゃないかと毎朝のように思ってしまうから。それなのにヘルから返って来たのはそんな一言だった。
「君ってどうしていつも残念なんだろうね」
残念ってなんだとわかりやすく眉を吊り上げる彼女に、こちらもわかりやすくため息を吐いてみせる。どれだけ態度で伝えても、どれだけ愛の言葉を尽くしても、鈍感な彼女には中々伝わらない
大人になればなるほど言葉は回りくどくなり、態度で感じ取って欲しいだなんて思ってしまうけれど、彼女はいつだって真逆で、真っ直ぐだ。そういうところが好きなのだから仕方がないけどと心の中で苦笑する
「なに笑ってんのよ!」
「別に。ただ、僕の恋人は今日も可愛いなと思ってね」
途端に碧が左右に大きく揺れて、頬も耳もかぁぁっと赤く染まっていく。その全てが僕のことを好きだと伝えてくるようで。あぁ、もう本当にどうしてくれようかな
「寒いからもう少しこのままでいてよ。カイロ代わりに、ね」
今はそれでいいかと笑いながら、彼女をそっと抱きしめるのだった

義理の前にあいつに本命を渡してくれ 

その日ハーレはやけに混雑していた。
「ナナリー」
「殿下!所長に用事ですよね?今案内します。あとこれもどうぞ」
そう言うと綺麗に包装してあるお菓子を手渡された。
「チョコレートか?」
頷いたナナリー曰く、バレンタインという外国のお祭りを真似て、訪れた人全員に義理チョコを配っているのだという。
なるほどと頷いてから、はたと思う。俺があいつよりも先に受け取ってよかったのだろうか。
この気のいい友人は恋愛事には大変疎く、それにいつも振り回されている従兄の姿を見てきた。お節介かと思いつつ、義理の前にあいつに本命を渡してほしいと言おうとして口を開く。
「ナナリー、あいつに…」
その時入口の鐘がカランと音を立てた。碧色の瞳が流れるようにそちらへ向けられ、それから頬がじわりと赤く染まっていく。
「遅くなってごめんね。お昼食べに行こうか」
金髪の合間から覗いた赤い瞳のなんとも優し気なこと。他の女性に対してとはまるで違う姿に、俺の杞憂だったかと内心苦笑する。
「待って。殿下を所長室に案内してくるから」
「俺のことなら気にするな。…本命、渡すんだろ?」
密やかに耳打ちすれば、耳まで真っ赤にしたナナリーだったが、僅かに頷いたのを見て、笑ってしまった。恋は人をも変えるのだなと。

掴めぬ空 

隣の席の、誰かを彷彿とさせるような茶髪の女の子。それがヘルの第一印象だった。
無意識に吹っ掛けていた手遊びを皮切りに、僕らの関係は言うなれば腐れ縁のようなものになっていった。
女生徒達が恋愛に身を焦がす中、学年が上がってもヘルはヘルで、時間があれば図書館に通い本を読み、できない魔法があれば訓練室で魔法の特訓をしていた。彼女が見つめるのは、一位と勝利という文字だけだ。
そんなヘルのことを見つめる視線に気付くと、物好きだなと思いながら決まって窓越しに空を見上げた。ただそこに美しくあるだけで、あの空は誰のものでもない。誰のものにもならないと思うと何故かほっとしている自分がいたのだ。
卒業パーティーが近づくにつれて増えてきたヘルを呼び出す手紙に、彼女は小首を傾げていた。自分がパートナーに誘われているだなんて微塵も思っていないのだろう。
窓越しに降り注ぐ金色の光が彼女の美しい空色に影を落とすのを見ながら、遠いなと思う。この教室で一番近くにいるはずなのに、掴めないあの空のように。いや、掴もうとするのはおかしいだろう。僕に好きな人などいないのだから。
「何よ」
じとりと碧い瞳が嫌そうに僕を捉える。
「別に」
僕たちの距離が縮まることはないだろう。これからもずっと。それでいい。それがいいんだ。

ありがとうございます😭✨よろしくお願いします!

ありがとうございます😌💕なんとか出ます!

わー!!おめでとうございます!!あと少しですね☺️✨応援しております!!

ありがとうございます!!よろしくお願いします🥺💕

ありがとうございます🥲今日はあったかいものを食べようと思います

印刷所から問題ないと連絡がきましたので、漸く安心した😂色々な方のおかげで本が出ます!😭✨ありがとうございます。

幼女7ちゃんと堅物6 

王宮で働く宮廷魔術師長の6はある日厄介な魔法をかけられていた小さな女の子の出会う。水色の髪に碧い瞳。将来もっと美人になるだろうなというその子を王の命令で手元に置き、保護することに。
毎日が退屈でつまらない中、その子と過ごすことで心が癒されてくのを感じる6。それと同時に初めて誰かを大切に思う気持ちが芽生え始めて…。
そんな中で7に魔法をかけた奴らに7が誘拐され…みたいなのいいよねって言いたかっただけです笑

リプも折り畳まれるの?!すごっ

ろっかさん、ありがとうございます😭一緒に胃を大事にしましょう💦

ツイートを折りたたむのがどこでやるのかまだよくわかってない

その痕でありますように、なにとぞ😭😭😭お祈りしておきますね🙏

次回は現パロ本予定で、その次はまた切ない本を書くので今から自分でも楽しみです😌

胃カメラつらいですよね😭💦何も見つからないことをお祈りしておきます🙏💦

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