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そういえば最近あの不思議な感覚にならないな、と思い返して初めて知る、自分に「離人感」があったこと。離人感の説明を聞いても自分のそれだとはあまり思わず、みんな経験している錯覚の類だと思っていた。何かの症状一覧を見ても「私は離人感がないからこれは違うかなあ」と思ったり、自分は離人症だと言う友人の話を聞いて他人事のように思っていたりした。今思い返すと確かに「離人感」なんだけど、当時は離人感がないときもかなりぼんやりした現実感のない世界に生きていたので異常と認識できなかった。むしろ明白な離人感はふわふわして切り離された感じがラクで、歓迎しているまであった。友人は離人感があって大変という文脈で語っていたと思うが、私は思い出しても嫌な感じではなくて、少し懐かしいような。生きにくさとか精神的な症状って大体これ。渦中にいるときは当たり前すぎて、説明を聞いてもなお発見できない。

むしろ離人感なるものが自分にあるとしたら、意識して感覚を殺すときの感じだと思っていたな。あれはまた別で、自分の肌から身を引いて2ミリくらい後ろにいるみたいにするの…。離人感は全身をバブルに包んで壁を作り、「世界の中で引きこもっている」ような感覚で、自分ではコントロールできない。

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