平野啓一郎「空白を満たしなさい 上下」を読み終わる。
「日蝕」の印象が強すぎてもっと高尚な感じを想像していたけどエンタメ寄りだった。ドラマとかにしやすそう。
生前の自分が自死に向かうまでを調べて思い出し、それを家族や友人にきっちり説明してわかって貰おうとするところに、誠実さより言い訳がましさ、それが好意的に受け止めてもらえることが前提の環境にいる人ばかりではあるまい、でもこれはいい話なんだろうな??たぶん、てなった。主人公にいらっとなったけど大半の男性はこんな主観なのではというリアルな気がするから、読みやすいのでは。
私自身は人はわかり合わず、わかり合えたという勘違いのまますれ違い続け、運命やら神やら天国や地獄があると思うドラマチックな方が好きなので。好みの問題かもしれない。
死んだ人が生き返ったとしたらその人は何をするか周りはどうするかから、死んだ人の軌跡をどう残すかをビジネスにしようとするところがすごく現代っぽい。こういうビジネネスのモデルこれから本当に出てくるんだろうなと想像しやすかった。