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池上嘉彦『意味の世界 現代言語学から視る [改版]』(NHK出版、1978-2024)、読了。

「青木屋」と「ブルー・ツリー」では、表現しているものが違う……。そんな序章から、「言葉」と「意味」の世界を眺めていく。
日本語をメインとした豊富な用例で、「意味の類似性」や「意味の曖昧さ」、「言語と文化・思考」などさまざまな切口で分析している。
個人的に面白かったのは、第7章「センス・ナンセンス」で、「詩語とは何か、詩とは何か」に触れているところ。〈詩的表現における言葉遣いは、何らかの形で基準からのずれを示すことになる〉という見識は、俳句創作者としても実感を覚えるところだった。
ユーモアも程よく効いていて、大変興味深く読んだ。

「古い本だからか、男女二元論的だな……」と思っていたら、2024年の改訂版のあとがきではちゃんとフォローがあった。その辺も誠実。

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