ケンダル・ウォルトン著/田村均訳『フィクションとは何か―ごっこ遊びと芸術―』(名古屋大学出版会、2016)で、 ウォルトンは、フィクションを単なる虚構ではなく、「想像を命令する」ものと定義するんですよね。フィクション作品は、私たちに特定のものを想像させ、その想像の世界に没入させるように仕向ける、と。
フィクションに感情移入するのは、単に登場人物の立場に立って考えているからだけではなく、作品の世界のルールや前提を一時的に受け入れることで、その世界に深く入り込むことができるのだと。
フィクションを読んでいるとウォルトン説は説得力があるなといつも思います……。
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